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公演レポート2024.12.7sat in 和歌山

2024年12月7日(土)「マリヤの賛歌ー石の叫び」を上演する会(マリヤの会)さんが

主催となり和歌の浦アート・キューブにて上演いたしました。

和歌浦は和歌山県北部にあり、和歌山市南西部に位置する景勝地の総称で日本遺産に認定された所。四季折々の多彩な風景は万葉歌に詠われ、芸術や文化を育んだ歴史ある風景の中に、江戸時代後期に和歌祭の御成道として建造されたアーチ型の石橋・不老橋があります。そのすぐ近くに「和歌の浦アート・キューブ」はあります。芸術文化活動の育成・支援を目的とした市民参加型芸術文化施設です。

このホールはとても素敵な空間でした。

​今回、岩崎さんの演出としと特筆すべきは客席側、壁面上部の可動式ルーバーの開閉でした。

​開演は14時。柔らかな陽の光が降り注ぐ時間帯。芝居後半で静かに解放されてゆく銅版が光を反射し、美しいエッセンスとなりました。

マリヤの会の皆様と客席作り。フラットなので前列と少しずらしながらも所狭しと並んだ椅子。

たくさんのお客様がご来場くださり、なんと満席。マリヤの会の皆様による客席誘導・注意事項の案内やお客様対応など、とてもスムーズに運営してくださり、ほぼ定時で上演することができました。

照明・染川さんの役者と息を合わせた照明操作と照明プランは、観ている人を深く芝居に誘います。

今回、マリヤの会の皆様が「マリヤの賛歌ー石の叫び」の上演を主催するに至った想いやご苦労されたお話などをアフタートークでお話くださいました。

ご来場くださいましたお客様、主催くださいましたマリヤの会の皆様、ホールスタッフ様、​誠にありがとうございました。

公演レポート2024.8.15 in 千葉

マリヤの賛歌ー石の叫び 上演

千葉県房総半島の館山市内。婦人保護施設「かにた婦人の村」で、『マリヤの賛歌』の原作者・城田すず子さんは後年をここで過ごしました。性搾取や暴力などに傷ついた女性達が共同で暮らせる、全国で唯一「長期」で入所できる保護施設です。毎年、終戦記念日である8月15日は夕方4時から慰霊碑の前で鎮魂祭が行われます。

その鎮魂祭の前に、教会で「マリヤの賛歌ー石の叫び」を上演して欲しいと、施設長さんやシスターからのご希望で実現致しました。

当日、台風直前にも関わらず気持ちの良いお天気に恵まれました。自然に囲まれたこの場所は虫や鳥や草木の音楽が絶え間なく響きます。

続々とお客様が教会へ来られました。ほぼ照明を使わず、教会内に外から差し込む柔らかな光とパイプオルガンを照らす青い光がとても印象的です。

 

PM2時。

五十嵐施設長のご挨拶が終わり、ほんのひとときの静寂ののち、微かな声音で始まる第一声が緩やかに空気を震わせました。

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鎮魂碑。

戦争の名のもと壮絶な人生を余儀なくされた女性達が、お国や男の都合で歴史から事実を葬り去られることは許せない、彼女たちのために慰霊塔を建ててやって欲しいと、かにた婦人の村を設立した深津牧師に城田すず子さんはお手紙を送りました。

この石碑が建った1987年、除幕式で城田さんは涙ながらに「みんな、ここに帰っておいでよ」と叫んだそうです。

鎮魂祭には金子のみの参加でしたので一緒に祈りを捧げることができませんでしたが、開演前に鎮魂碑を写真に収めることができました。

ご観劇下さいました皆様ありがとうございました

公演レポート2024.6.15 in 神奈川

2024年6月15日(土)神奈川県・地球市民かながわプラザで上演した『マリヤの賛歌ー石の叫び』
私たち「マリヤの賛歌を上演する会」をお招き下さいましたネパリ・バザーロさんがレポートして下さいました。

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200名を超えるお客様と共に、金子順子さんを通して語られる、城田すず子さんの声を全身で聴かせて頂きました。人間の尊厳をかけた城田すず子さんの叫びに、心が震えました。

アフタートークでは、劇作家で精神科医のくるみざわしんさんと、主演の金子順子さんからお話をお聞きしました。
日本人だから声をあげにくい、声をあげたら叩かれる、それは今も同じではないか、一番声をあげにくかったのは日本人慰安婦だったのではないかと投げかけてみたくて、くるみざわさんはこの芝居を書かれたそうです。
金子さんは脚本を見て、絶対にやらなければならないテーマだと思って引き受けられたそうです。「城田すず子さんはノンフィクション。演劇は、どう頑張ってもフィクション。フィクションだからこそ、ノンフィクションを凌駕する瞬間があるのではないかと、俳優としてはそういう想いで、城田さんに向き合っている。失礼のないように」という金子さんの言葉が心に残っています。

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最後に天羽道子さんにご登場いただきました。シスターの天羽さんは、千葉県館山市の婦人保護長期入所施設「かにた婦人の村」からお越しくださいました。「かにた婦人の村」で城田すず子さんと共に時を過ごされました。

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天羽さんは、「鎮魂碑」ができた時、城田すず子さんが車いすで山の上まで上がってこられて、「みんなここに帰っておいでよ」と言われたことを、今も忘れられないそうです。今日、金子順子さんを通して、その言葉を何度も聞き、胸がいっぱいになられたことをお話くださいました。
また、冒されてしまった人間としての名誉を返して欲しいと訴えてこられた、何名もの韓国の方々が、名誉が回復されないまま亡くなってしまっている現状、さらに日本の中学校の教科書から「従軍慰安婦」の記述がなくなってしまったことに非常に心を痛めていらっしゃいました。
今日の公演には大勢の方が集まられ、加害の歴史の最たるものについて一緒に考えるひと時をもてたことに希望を感じてくださいました。

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かにた婦人の村の施設長、五十嵐逸美さんからは、差別をなくしていくには、自分と同じだけ他の人を大事にすること、人の痛みを感じることを子どもたちに伝えていかなければならないというメッセージを頂きました。施設の建て替えで、寄付を募られています。こちらからご覧ください。

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まだ戦後は終わっていないのに、日本は戦争への道をどんどん広げています。そんな時に、私たちはどうしたら抗えるだろうか、どうしたらまともな社会をつくれるだろうか、その手段の一つに演劇があるのではないかと思い、「マリヤの賛歌ー石の叫び」を上演して頂きたいとお願いし、本日実現しました。
「マリヤの賛歌を上演する会」の皆さま、お集まりくださいました皆さま、本当にありがとうございました。
文責:ネパリ・バザーロ

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